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ここは上伊那郡南箕輪村。
中央アルプスの山並みから天竜川へと落ちる河岸段丘の中ほど。。
住宅と田畑が入り混じる景観の中、
「神子柴遺跡入口」と書かれた案内表示。。。
案内板脇の駐車場(だと思う)に車を停め、
矢印が指す階段を上ってみましょう

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階段の先は芝敷きの坂。
上の方に案内板らしきものが見えますね。。(下の説明版、拡大してご覧になってくださいませ)
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どうやらここがこの遺跡地の中心らしい。。。
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案内板の横に佇む石碑。。
なかなか良い雰囲気ではありませんか。。

振り向けば、
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中央アルプスの山並み。。

反対側は
みこしば南アルプス
冠雪の南アルプス{*遺跡地から少し坂を下りた場所から撮影}

このような雄大な景観の一角に、
約一万五千年前(諸説あり)の謎多き「人の痕跡」、
それがここ、神子柴(みこしば)遺跡です。。

で、、この遺跡の何が謎なのか??
気になりますよね。。
えっ、どうでもいい?
そんなこといわずにお付き合いくださいませ


神子柴の謎

先ずはですね、
この遺跡、旧石器時代のものか縄文時代草創期のものか??
この問題がいまだに未解決といえます。。

この遺跡から出土したものと同様の石器は全国的に発見されているのですが、
一部の遺跡では土器(縄文草創期)を伴っています。。
だから縄文時代草創期の石器なのかな、とも思えますが、
神子柴遺跡のように石器のみが出土した遺跡も多いようですから、
やはり旧石器時代なのかな、とも思えます。
まぁ、旧石器時代と縄文時代の過度期、というのが無難な答えですね。。

ちなみにこの石器類、最初に発見されたのがこの遺跡なので、
この遺跡名から「神子柴石器」と呼ばれています。。
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ここで最初に作られたとか使われたという意味ではありませんよ。。

神子柴遺跡について一番の謎は、
以下の図のとおり(右上)、
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石器が環状に並べられていたんですね。。
しかも、その殆どが未使用。。
明らかに何らかの意図を持ってそこに並べられたであろうと考えられるのですが、
いったい何のために??

こちらもご覧になってくださいませ→{伊那市HP・神子柴遺跡について}
もう一つ、この遺跡についての興味深いサイト記事もありますので、
こちらもご覧になってくださいませ→{神子柴遺跡の謎}


神降臨前夜の一幕

私は、旧石器時代や縄文時代草創期といった時代について、
深く追求したことはありません。
おそらくはこれからも同様ではないかと思われます。
ですので、掲載した写真にある説明板や、上記リンクにある
サイト等に記載された内容以上の詳細をここに書くほどの
知識を持ち合わせてはいません
それなのに何故、そのような時代の遺跡について記事を書いているのかといいますと、
私が主題とする「神が人であった時代(主として弥生時代中期から古墳時代)」について
再度追求する前に、神降臨前夜といえる時代について大雑把ながらも振り返って
みようと思い立ったからです。

神として祀られた人物が、何故そこ(諏訪)に現れたのか?
そして、何故そこに祀られたのか?
そこに祀られたのですから、そこを本拠として何かを成し遂げたと私は考えます。
だとすれば、そこにその人を引き付けた何かがあったのではないか?
そのように私は考えます。
その何かは、前に記事にした下諏訪町の遺跡のように、
一万年以上前から存在する人の痕跡の積み重ねにあるのではないかと思うのです。

今回の記事は諏訪から少し離れた場所にある遺跡についてですが、
諏訪湖から太平洋に向かって流れる天竜川畔の遺跡であり、
古くから諏訪信仰と強く結びついていた地区でもあります。
古代諏訪を考える時、現代の諏訪地方よりも広範囲を対象として
見るべきかとも思えます。

土器が使われ始めた時代、あるいはまだ石の道具しか使われていない時代、
シベリヤ東部に製法起源を持つ(諸説あり)といわれる石器を待った人がここに現れ、
何やら大きな謎を残していきました。。
ちなみに、その石器原料産地は様々ですが、
和田峠産の黒曜石も多く使われています。。


私見

最後に、神子柴遺跡について私が思うところですが、
やはり何かしらの祭祀(墳墓説も合わせ)が行われた跡と考えるのが自然ではないでしょうか。
未使用の石器が多数を占めるという事実がその根拠の一つと私は考えます。。
また、下諏訪町の小田野駒形遺跡の様に、旧石器時代住居には祭祀跡と思われるような
痕跡もうかがえる(私見ではあるが)。
つまり、旧石器時代における住居跡そのものが、祭司的性格を伴う特殊なもので
あったのではないかと私は思うのです。
ですから、神子柴遺跡が住居跡であったとしても、結局は祭司的性格を伴うもの
という結論に至るであろうと考えます。


<参考>
*長者久保・神子柴文化期における土器出現の14C年代・較正暦年代(谷口康弘、川口潤)
*日本列島における更新世終末期の考古学研究:縄文文化起源論と旧石器終末期研究の
学説史に着目して(長沼正樹)


締めの一曲

さてさて、今回の締めはこの一曲で。。。
この遺跡を訪ね時に車の中で聞いていた曲です。
なんだかこの雄大な風景にマッチするなぁ~なんて思いました。
旧石器時代の風景を想像すると、ますますマッチする!
なんてあくまでも私の独断と偏見によりますが

人間なんて間違いだらけ。。
間違って思い悩んだら、まだ未熟な道具だけを持って
この大自然の中で生きた祖先を思うのも良いじゃありませんか。。
そんな時、こんな遺跡を訪ねてみてはいかがです。。
といわけで、SCANDAL「Stamp!」